0276-38-5511

〒373-0861 群馬県太田市南矢島町726-3

受付時間
AM 09:00~12:00
PM 15:00~17:30
睡眠時無呼吸症候群

以下のような項目でお悩みの方はご相談下さい!

  • 睡眠中にいびきが大きい
  • 呼吸が一時的に停止してしまう
  • 夜中に何度も目覚めてしまう
  • 朝起きた時に頭痛がする
  • 日中、異常なほどの眠気や疲れを感じる
  • 集中力の低下や倦怠感がある

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が不規則になることで発生する疾患です。これらの症状が現れている場合、SASの可能性があります。多くの場合、自覚症状がなく、家族やパートナーからの指摘で初めて気付くことも少なくありません。放置すると、心臓病や脳卒中などの重大な健康問題のリスクを高める可能性があります。
これらの症状が気になる方は、早めに医療機関をご受診いただくことをおすすめします。適切な治療により、症状の改善や将来的な健康リスクの低減が期待できます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に起こる呼吸の停止または浅くなる現象で、これにより体が低酸素状態に陥り、さまざまな健康上の問題を引き起こす可能性があります。 この症状は、10秒以上の呼吸停止が一晩に30回以上、または一時間に5回以上発生すると診断されます。この病気の罹患者は自己の症状を意識しにくいため、未診断・未治療の潜在的な患者数は相当数に上ります。特に、いびきや睡眠中の呼吸停止を他人に指摘されたり、昼間の過剰な眠気を感じる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと言えます。
この病気は、肥満が関連する閉塞型が最も一般的で、適切な治療により症状の改善が期待できます。ただし、約500万人と推定される日本の患者のうち、適切な治療を受けているのはごく一部に過ぎません。睡眠時無呼吸症候群は、心臓病や脳疾患など重篤な健康問題を引き起こすリスクがあるため、いびきや睡眠中の呼吸停止を経験している場合は、専門の医療機関での早期受診が推奨されます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状

睡眠時無呼吸症候群には、多様な症状があります。これらは患者の日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

周囲の方からのいびきの指摘

睡眠中に大きないびきをかくことが最も一般的な症状で、しばしば家族や同居人によって指摘されます。

夜間の頻繁な目覚め

息苦しさや窒息感によって目が覚めることがあり、これは睡眠の質の低下をもたらします。

日中の過度の眠気

不十分な睡眠により、昼間に強い眠気や居眠りを引き起こすことがあり、これは仕事や日常生活に支障をきたすこともあります。

朝の頭痛や倦怠感

質の悪い睡眠から起きた際に、頭痛やだるさを感じることがあります。

夜間の頻尿

睡眠中に何度もトイレに行く必要があることがあり、これは睡眠の質をさらに低下させる要因となります。

夜間発汗

睡眠中に過度の発汗をすることもあり、これは不快感をもたらします。

性欲減退

睡眠時無呼吸症候群は性機能にも影響を及ぼすことがあります。

起床時のむくみ

睡眠不足や質の悪い睡眠が原因で、起床時に体がむくんでしまうことがあります。

これらの症状は、睡眠時無呼吸症候群の患者さんが経験する代表的なものです。日中の強い眠気は、交通事故や仕事中の事故のリスクを高めるため、特に注意が必要です。いびきや睡眠中の息苦しさ、窒息感がある場合や、日常生活に支障をきたしている場合は、医療機関での相談が推奨されます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因

睡眠時無呼吸症候群は、空気の流れる上気道が狭くなるか、または脳からの呼吸指令が途絶えることにより発生します。この症状には主に二つのタイプがあります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、肥満、小さな顎、舌の根元の後退、アデノイドや扁桃の肥大、鼻炎による鼻づまり、飲酒や睡眠薬の使用が主な原因です。仰向けに寝た際、これらの要因によりのどが狭まり、空気の通り道が阻害され、「いびき」が発生し、最終的に気道が完全に閉塞することで無呼吸が発生します。狭まった気道を空気が通過しようとする際の抵抗により、呼吸努力が見られますが、空気の流れが完全に止まることがあります。

中枢性睡眠時無呼吸症候群

中枢性睡眠時無呼吸症候群は、脳卒中や心機能の低下が原因で、脳からの呼吸指令が途絶えることで起こります。このタイプでは、肥満や扁桃肥大といった物理的な閉塞ではなく、呼吸そのものの停止が原因です。

混合型睡眠時無呼吸症候群

混合型は、閉塞型と中枢型の両方の特徴を持つ症状で、呼吸努力の有無にかかわらず、気道が閉塞し、脳からの呼吸指令が不足している状態です。

原因の共通点と特徴

肥満は、気道を物理的に狭める主要なリスク因子であり、60%以上のSAS患者に見られます。
下あごの小ささや扁桃腺の肥大など、体形的特徴も気道を狭くする原因となります。
睡眠時無呼吸症候群は、肥満の人だけでなく、やせ型の人や特定の身体的特徴を持つ人、閉経後の女性や高齢者にも見られる多様な原因があります。
これらの原因により、気道が塞がれ、睡眠中に無呼吸や低呼吸が生じ、睡眠時無呼吸症候群の症状が発生します。適切な診断と治療が必要な病気です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併症について

睡眠時無呼吸症候群は、適切な休息を取ることができず、慢性的な睡眠不足や睡眠の質の低下によって、さまざまな生活習慣病をはじめとした重篤な合併症を引き起こす可能性があります。この状態は、身体だけでなく脳にも酸素が十分に供給されず、生活習慣病のリスクを高め、最悪の場合は命に関わる疾患を引き起こすことがあります。

主な合併症

高血圧: 慢性的な低酸素状態が血圧の上昇を引き起こし、治療抵抗性高血圧のリスクを高めます。
心疾患: 心不全や不整脈、冠動脈疾患など、心臓に関わる疾患の発症リスクが増加します。
脳血管障害: 脳卒中を含む脳血管疾患の危険性が高まります。
糖尿病: 睡眠時無呼吸症候群は、インスリン抵抗性を高め、糖尿病の発症につながることがあります。
精神疾患: 睡眠の質の低下は、うつ病や不安障害などの精神疾患の悪化にも関連しています。

このように、睡眠時無呼吸症候群は、ただの睡眠障害ではなく、心血管系疾患、糖尿病、精神疾患など多岐にわたる合併症を引き起こす可能性があることから、早期の発見と適切な治療が重要です。特に、「間欠的低酸素血症」と「睡眠の分断による交感神経の亢進」がこれらの合併症に大きく関与しているため、専門医の診察と指導のもと、症状の改善を目指しましょう。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まずは患者さんの自宅で行える簡易検査からスタートします。
この検査では、手や鼻に小型のセンサーを取り付け、睡眠中の呼吸パターンや酸素濃度を記録し、無呼吸・低呼吸指数(AHI)を測定します。AHIが特定の基準値を超えると、さらに詳細な検査であるポリソムノグラフィー(PSG)が推奨されます。PSGは、脳波や筋電図、心電図などを含めた包括的な睡眠の監視を行い、睡眠時無呼吸の詳細な状態を把握することができます。これらの検査により、睡眠時無呼吸症候群の診断、重症度の評価、さらには中枢性や閉塞性のタイプの判別が可能となり、患者さん一人ひとりに最適な治療法を選定するための重要な情報が得られます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の治療は、個々の患者の状態に応じた多様な方法が提案されます。
軽度な場合は歯科で作成される専用のマウスピースを睡眠中に装着して治療することが可能です。一方、アデノイド肥大や扁桃肥大などの器質的な原因がある場合は外科手術が効果的です。多くの患者には、CPAP(経鼻的気道持続陽圧療法)が適用され、気道を物理的に開くことで無呼吸を改善します。しかし、CPAPは症状を抑える治療であり、中断すると無呼吸が再発するため、長期的な継続が必要です。寝苦しさから治療を中断した経験のある方も、マスクのフィッティングや圧力調整で改善が見込めるため、再度相談することが推奨されます。

その他の治療法

耳鼻咽喉科の異常が原因の場合、耳鼻科医師や歯科医師との相談による手術や口腔内装具による治療が検討されます。
また、生活習慣の改善も効果的で、特に肥満患者には減量が推奨されます。アルコールや睡眠薬の摂取は無呼吸を悪化させるため、控えるべきです。CPAP療法の導入には、適切な圧力の設定のためのポリソムノグラフィー検査が行われ、自動的に圧を調節するオートCPAPの使用もあります。治療開始に際しては、短期間の入院が必要な場合もありますが、機械の小型化により日常生活への影響は最小限に抑えられています。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群(SAS)では、夜間のいびきや呼吸停止、日中の強い眠気や集中力の低下などの症状が現れることがあります。これらは気道が塞がれ、適切な睡眠を妨げる結果、体への酸素供給が不十分になることで引き起こされます。
特に、肥満はSASの主要なリスクファクターの一つであり、生活習慣の改善が症状の軽減に繋がる場合があります。睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心筋梗塞や脳卒中など重大な疾患のリスクが高まります。家族から「いびきがうるさい」と指摘されたり、日中の過度の眠気や倦怠感に悩まされている方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、専門医の診断を受けることが重要です。治療には、生活習慣の改善からCPAP療法まで、様々な方法があり、症状や重症度に応じて適切な対応が可能です。もしこれらの症状が気になる場合は、ぜひ一度当院へご相談ください。早期の治療開始により、健康へのリスクを抑え、より質の高い生活を取り戻すサポートをいたします。

閉じる