大腸がんの患者数や死亡者数は年々増加傾向ですが、その背景としては食生活の変化、がん検診の未受診などの様々な要因があげられます。
世間一般的に大腸がんは発症した時点で、「お腹が痛い」「辛い」などの症状を感じると思われていますが、実は大腸がんの初期症状は上記のような症状を感じる事はありません。つまり、大腸がんで苦しい思いをされる方を減らすためには定期的に内視鏡検査(大腸カメラ検査)を受けることが推奨されています。
大腸がんは40歳を過ぎた頃から発症リスクが高くなると言われております。そのため、40歳を過ぎましたら定期的に大腸カメラ検査で、ご自身の健康状態をご確認して頂きたく思います。大腸がん家系の方、お腹の違和感(腹痛)や慢性的な便通異常(下痢や便秘)血便がみられた際は大腸カメラ検査を実施しているクリニックまでご相談下さい。
当院の大腸カメラ検査の特徴
大腸カメラ検査が敬遠される原因としては、検査中の痛みや下剤の服用などがあげられます。当院では大腸カメラ検査を受けられる皆様が安心できるために以下のような取り組みを実施しております。
内視鏡検査の際に鎮静薬を使用して眠った状態で大腸カメラ検査を提供しているクリニックが増えております。勿論当院でも検査時に鎮静薬を使用しております。以下に鎮静薬使用によるメリットとデメリットを記載しておりますのでご確認下さい。
鎮静薬のメリット
鎮静薬を使用すると眠っている間に大腸カメラ検査が終わりますので、検査があっという間に感じて頂けます。一度でも鎮静薬を使用して検査を受けられると、次回も鎮静薬の使用をご希望される方が多いです。 また、当院では患者さんの体調・体重・年齢などを考慮して鎮静薬の使用量を決めていますのでご安心ください。
緊張した状態で大腸カメラ検査を受けられるとお腹に力が入り、腸の運動が活発になり内視鏡スコープ挿入が困難となりますので、観察の精度が低下してしまう事があります。
鎮静剤使用のデメリット
大腸カメラ検査後は目が覚めるまで休憩して頂きます。個人差はありますが目が覚めるまでに30分から1時間程度かかります。
大腸カメラ検査の当日は時間に余裕をもってお越し下さい。また、検査の後は車やバイク、自転車等の乗り物の運転はお控え下さい。
下剤を複数種類を用意
当院では下剤を2種類用意しております。下剤は種類によって味や飲み方が異なりますので、皆様にご希望の下剤を選んで頂いております。下記にそれぞれの特徴を記載しておりますので参考にして下さい。
モビプレップ
味:梅風味で比較的飲みやすい味
特徴:
・多くの医院様で活用されている
・服用量が少ない
・ビタミンCが配合されている
・比較的洗浄力が強い
ムーベン
味:レモンのような柑橘系の味
特徴:
・飲み方がシンプルで分かりやすい
・お飲み頂く量は約2Lで多い
・比較的洗浄力が強い
・透析中でも使用可能
マグコロールP
味:スポーツドリンクのような味
特徴:
・スポーツドリンクのような味で飲みやすい
・お飲み頂く量は約1.8L
・洗浄力はモビプレップと同等
・腎臓が悪い方はお知らせ下さい
日帰りポリープ切除を実施
大腸カメラ検査中に大腸ポリープを見つけた際は、切除可能な場合はその場で摘出致します。ポリープに中には大きくなると癌化して大腸がんとなるものもあります。大腸ポリープを切除した際の注意点は下記にある「大腸カメラ検査の流れ」の項目で記載しています。
当院では上記以外でも様々な取り組みを行っています。
詳しくは当院の大腸カメラ検査ページも是非ご覧下さい。
事前診察
大腸カメラ検査は事前に外来を受診して頂く必要があります。その際に普段飲まれているお薬を確認します。大腸カメラ検査前に休薬して頂くお薬もあるので、外来受診時にお薬手帳をご持参して下さい。外来診療後には当院スタッフよりお食事などの説明を行います。
検査前日
検査前日はうどんやお粥をはじめとした消化の良い食べ物を召し上がって下さい。また夕食は、夜の9時までにお済ませ下さい。お飲み物はお水、お茶やスポーツドリンクなどの透明なお飲み物をお飲みください。就寝前には事前診察時に処方した指定の下剤を服用して下さい。
検査当日の朝(ご自宅)
検査当日の朝からご自宅で下剤を服用して腸管内を綺麗にしていきます。下剤と共にお水やお茶などの透明なお飲み物も一緒にお飲み下さい。排便が透明な便となりましたら下剤服用は終了となりますので、当院までお越し下さい。
下剤の服用方法について
①キャップを開けて「★」の目盛までお水を注ぎ、上下に振って中の粉末を溶かして下さい
②キャップを閉めたまま袋を押して、AとBの壁を開通させます
③上下に良く振って、下剤を溶かしていきます
④粉末が解けたら、「2L」の目盛までお水を注いで下さい
⑤コップに注いで便が綺麗になるまでお飲み下さい。
①付属のコップを外してムーベンの原液を赤い線(約45㎖)まで注いで下さい
②その後、お水を青い線まで注いで薄めて下さい
③最初の2~3杯まではゆっくりとお飲み頂き、便が綺麗になるまで飲み続けて下さい
下剤服用の注意点
下剤を服用頂いて以下の症状を感じられましたら当院までお問い合わせ下さい。
・気分が悪い
・お腹が痛い
・吐き気がする
・息苦しい
・吐いてしまった
・蕁麻疹がでた
・めまいがする
来院後
大腸カメラ検査時でも通常の外来と同様に受付をして下さい。
来院後は先ずは受付します
鎮静薬の管をとります
検査着に着替えて頂きましたら大腸カメラ検査は開始です
検査時
・鎮静薬をご希望の場合は、検査前に注射用の針を血管に留置します
・内視鏡室に入り、ベット上で左側を向いて横になります
・肛門に麻酔ゼリーを塗ったら大腸カメラ検査は開始です。鎮静薬を使用する際は検査直前に鎮静薬を投与します
・大腸カメラ検査にかかる所要時間は人にもよりますが10~20分ほどで終わります
・大腸カメラ検査中に大腸ポリープを見つけた際はその場で切除します
・鎮静薬を使用された方は効果が覚めるまでリカバリー室で休憩して頂きます
※使用した鎮静薬の量や体質により休憩時間は異なります
※平均して休憩時間は30分前後となります
大腸カメラ検査時の注意点
・内視鏡スコープと大腸粘膜が擦れて粘膜損傷(消化管からの出血)や穿孔(消化管に穴が開く)の可能性もあります
・詳しく調べる為に組織を取る事もあります。組織を採取した際は出血しますが放置しても自然に止血されます
・ポリープのサイズが大きい場合や切除後の出血リスクが高いと思われる場合は連携先の総合病院へ紹介する事もあります
ポリープ切除後の注意点
ポリープ切除した際は1週間前後、出血リスクが伴います。排便時はすぐに流さず、出血していないか便の色を確認してください。仮に出血がみられたとしてもトイレットペーパーに血がついている程度であれば特に問題はありません。問題なのは便器内が真っ赤に染まるくらい出血している場合ですので、出血量が多い場合はお早めにご連絡下さい。
・アルコール類はお控え下さい
・消化の良い食べ物もの(おかゆ、うどんなど)をお召し上がり下さい
・唐辛子や山椒などの香辛料を多く含む食べ物はお控え下さい
・長時間の入浴はお控え下さい
・激しい運動(ジョギングなど)はお控え下さい
検査後
鎮静薬の効果が覚めましたら、大腸カメラ検査時に撮影した消化管内の画像を見せながら、結果をお伝え致します。大腸ポリープを切除した場合は病理組織の診断には時間が掛かってしまいます。ポリープを切除した方のみ1週間後に再度当院までお越し頂きます。
検査内容 | 1割負担 | 3割負担 |
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大腸カメラ検査のみ | 1,930円 | 5,790円 |
採血検査あり(一般項目) | 検査+690円 | 検査+2,070円 |
病理組織検査 (1臓器につき) | 3,240円 | 9,750円 |
ポリープ切除鎮静・鎮痛剤あり | 10,180円 | 30,540円 |
ポリープ切除鎮静・鎮痛剤なし | 9,880円 | 29,640円 |