消化器内科とは消化管(口・食道・胃・十二指腸・小腸・大腸など)や、肝臓・胆嚢・膵臓などの幅広い臓器を専門的に診る診療科です。消化管は食べ物の消化・吸収や、便の排出させる役割があります。お腹の不調、排便障害がある場合はお気軽にご相談下さい。
消化器の病気では胃腸炎などの急性のもあれば、胃がん・大腸がんのような重大な病気があります。少しでもお腹に違和感を感じた際は決して我慢せず、お早めにクリニックまでご相談下さい。
よくみられる症状
生活習慣病を発症すると動脈硬化を引き起こし、血液の循環が悪くなってしまいます。その為、心臓の病気(心筋梗塞や狭心症など)、脳の病気(脳梗塞やくも膜下出血など)、腎臓の病気(糖尿病性腎症など)、目の病気(糖尿病性網膜症)などの合併症を引き起こします。
食道の症状 | 胸焼け(胸のあたりが焼けるように熱い)、胸の前あたりが痛む、のどが焼けるように熱く感じる、食べ物が飲み込みにくい、のどに引っかかる感じがする(喉のつかえ感)、みぞおち付近に痛みを感じる(心窩部痛)、胸のあたりがヒリヒリとした感じがする、のどがしみるように感じる、吐血 |
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胃の症状 | 胃痛(心窩部痛)、みぞおち付近が痛む(心窩部痛)、食欲不振、食後にお腹が膨れて苦しく感じる(腹部膨満感)、胃もたれ、胃がムカムカする、吐き気、嘔吐、胃がキリキリと痛む、胃が差し込むように痛む、急に体重が減少した、真っ黒い便がでた(黒色便)、海苔の佃煮みたいな真っ黒い便がでた |
大腸の症状 | 急性の下痢、慢性的に続いている下痢、慢性的に続いている便秘、下痢や便秘が交互に繰り返す、腹痛、お腹が膨れて苦しい(お腹の張り、腹部膨満感)、ガスが溜まる、血便がでた、暗赤色便がでた、便に血がついていた、拭いたトイレットペーパーに血がついていた、便器内が血で赤く染まっていた、差し込むようなお腹の痛み、食欲不振、急に体重が減少した |
肝臓・胆嚢・十二指腸の症状 | 皮膚が黄色くなった、眼(白目部分)が黄色くなった、右季肋部の痛み、みぞおちの痛み、背中の痛み |
健診異常、がん検診異常 | 便潜血検査で陽性(便潜血陽性)と指摘された、ピロリ菌検査で異常を指摘された |
よくみられる病気
食道 | 逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア、食道炎、食道アカラシア、アレルギー性食道炎、バレット食道、食道カンジダ症、食道がん、咽喉頭異常感症、食道乳頭腫(パピローマ)、マロリーワイス症候群 |
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胃 | 感染性の胃腸炎、急性胃炎、慢性胃炎、萎縮性胃炎、鳥肌胃炎、ピロリ菌感染、胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃アニサキス症、機能性ディスペプシア、胃憩室症、胃過形成性ポリープ、胃底腺ポリープ、胃粘膜下腫瘍、びらん性胃炎、急性胃粘膜病変(AGML)、好酸球性胃炎 |
大腸 | 食中毒、ウイルス性胃腸炎、感染性腸炎、直腸粘膜脱症候群、大腸ポリープ、大腸がん、便秘、下痢、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病、好酸球性腸炎、大腸憩室症、憩室炎、大腸憩室出血、虚血性腸炎、腸管出血性大腸菌 |
当院の胃カメラ検査
口から内視鏡スコープを挿入して食道、胃、十二指腸を観察する検査です。胃カメラ検査だと自覚症状を感じないくらい微小な食道がんや胃がんでも早期発見・早期治療を行うことが可能です。
当院では快適に胃カメラ検査を受けて頂くために、鼻からの経鼻胃カメラ検査も行っています。苦痛に感じずに胃カメラ検査を受けて頂くことで「来年以降の定期的な胃カメラ検査の受診」に繋がるかと思っています。
大腸カメラ検査
肛門から内視鏡スコープを挿入して肛門、直腸、S字結腸、大腸、盲腸を観察する検査です。2019年度に公表された「がんの発症部位別の死亡者数」では、大腸がんは女性で第1位、男性で第3位と非常に高く、また今後更に大腸がんによる志望者数は増加していくこと予想されています。
大腸がんの自覚症状は血便、下痢、便秘、腹痛などの比較的よくみられる症状です。些細な症状でも構いませんのでお腹に異常を感じた際はお早めに消化器内科を標榜する医療機関にお越し下さい。
代表的な病気
悪性腫瘍(食道がん、胃がん、大腸がん、膵臓がんなど)、逆流性食道炎、胃腸炎(急性/慢性)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、、便秘症、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患(潰瘍性腸炎、クローン病など)、腸閉塞(イレウス)、胆石症、胆嚢炎、肝機能障害、肝硬変、脂肪肝、膵炎などが挙げられます。
当院の内視鏡検査の特徴
当院には長年内視鏡検査を行ってきた経験豊富な医師が在籍しています。胃カメラ検査、大腸カメラ検査ともに「痛みに配慮した、苦しくない内視鏡検査」を提供できるようスタッフ一同協力しております。お腹の異常(消化器の異常)でお困りの際は、みられている症状の程度に応じて内視鏡検査を推奨させて頂くことがあります。
お問い合わせ
当院では生活習慣病や消化器系疾患の治療も行っています。生活習慣病は自覚症状を感じる事なく進行して行きます。症状が見られてから治療を開始しても手遅れとなる事もあります。健康診査等で血糖値・血圧・血中脂質濃度・血中尿酸値の異常がございましたら一度ご相談下さい。
また便秘や下痢などの便通障害、腹痛を感じた際はただの便通障害、腹痛と思わず、医療機関までご相談下さい。実は大腸がんが原因となっている場合もあります。少しでもお腹の異常・違和感を感じられましたらお早目にご相談下さい。
長年の食習慣、運動習慣、休養、嗜好歴などの生活習慣によって発症する病気の総称を生活習慣病と言います。生活習慣病の代表例として糖尿病、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)が挙げられます。
生活習慣病は特に症状を感じる事なく病状が進み、気がついた頃には脳梗塞や心筋梗塞などの重大な合併症を発症するリスクが高くなっています。合併症を引き起こさない為にも早期治療が大切となります。
発症原因
生活習慣病を引き起こす原因として、食生活の乱れ、偏った食事内容、睡眠不足、運動不足、過労、ストレス、喫煙、過度な飲酒などが考えられます。
また、生活習慣病は自覚症状なく病状が進行していくので、毎年受ける健康診断で血圧が高い、血糖値が高い、血中脂質濃度が高い、血中尿酸値が高いと指摘された方はお早めにクリニックへ受診する必要があります。
引き起こす合併症
生活習慣病を発症すると動脈硬化を引き起こし、血液の循環が悪くなってしまいます。その為、心臓の病気(心筋梗塞や狭心症など)、脳の病気(脳梗塞やくも膜下出血など)、腎臓の病気(糖尿病性腎症など)、目の病気(糖尿病性網膜症)などの合併症を引き起こします。
運動習慣 | 糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満など |
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食習慣 | 糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、高尿酸血症、大腸がん、胃がん、歯周病など |
喫煙 | 肺がん、慢性気管支炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、循環器病、大腸がん、胃がん、歯周病など |
飲酒 | アルコール性肝疾患など |
生活習慣の改善
薬物療法と生活習慣の改善です。
塩分やカロリーを考慮し、規則正しく摂取するよう心掛けてください。また、いつも決まった時間に食事をとる事も大切です。
自身の身体にあった適度な運動は肥満の改善、血圧の改善、血糖値の改善、善玉コレステロール(HDL)の上昇に有効です。 運動も継続する事が大切なのでキツイ運動ではなくご自身の身体にあった適切な運動を行ってください。必要であれば院長から運動指導もさせていただきます。
ご自身の身体にあった量を飲むよう心掛けてください。また、肝臓を休ませる為にも休肝日を設けるように心掛けてください。
喫煙は動脈硬化、血圧上昇、発がんリスクが高まります。禁煙を心掛けてください。→当院では禁煙外来も行っております。
ストレスを常に感じている事は身体にはよくありません。睡眠をしっかり取り身体をしっかりと休ませる事も大切です。
代表的な生活習慣病について
高血圧
心臓から全身へ血液が送り出される際の血圧が正常値よりも高くなるのを高血圧と言います。血圧が高い状態では、心臓や血管に負担がかかり心不全や動脈硬化を引き起こします。
高血圧は特に自覚症状を感じる事がないので要注意です。気がついた頃には心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、慢性腎臓病、全身血管病などの合併症を引き起こします。健康診断の結果で血圧が高いと指摘された際は特に症状がなくてもクリニックまでご相談ください。
高血圧を引き起こす原因として日々の生活習慣が原因となっている場合とその他の病気が原因で高血圧を引き起こしている場合があります。高血圧といってもしっかりと原因を解明して適切な治療を行う必要があります。
- 治療方針
- ①生活習慣の改善
日本人は比較的に塩分摂取量が多いです。血圧が高いと指摘された方は日々の生活の中で減塩を心掛けて頂きます。減塩以外でもタバコ、アルコール、ストレスなども原因となりますので診察時に生活習慣指導を行います。
②薬物療法
Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、サイアザイド系利尿薬、β遮断薬を治療で使用しますが、病状に応じて適切なお薬を処方します。
✳︎必要に応じて組み合わせて治療を行います。
糖尿病
血糖値が正常値より高くなるのを糖尿病と言います。糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの分泌量が通常よりも減ったり、インスリンの作用が弱まる事で発症します。
糖尿病も特に自覚症状を感じる事なく病状が進んでいきます。健康診断の結果で血糖値が高いと指摘された場合は特に症状を感じなくてもクリニックまでご相談ください。
糖尿病が長期間続く事で、喉の渇き、排尿回数の増加、全身倦怠感などがあります。治療せずに放置していると糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症などの合併症を引き起こします。また、動脈硬化も引き起こす事があるので、心筋梗塞、脳梗塞なども引き起こします。
膵臓に生まれつきの障害がある⇨インスリンが分泌されない。
インスリン分泌量の減少、インスリンの効果が弱まる。(遺伝や生活習慣が関わります)
ステロイドなどのお薬や、内分泌ホルモンの異常を引き起こす病気。(甲状腺機能亢進症、など)
妊娠中に血糖値が高くなる事があります。
胎盤から分泌されるホルモンによってインスリンに対する抵抗感が強くなってしまいます。
- 糖尿病の診断基準
- 下記の①〜④のいずれかが該当した場合に糖尿病型(高血糖)と診断されます。
①早朝空腹時血糖値 126mg/dL以上
②75g OGTT(ブドウ糖負荷試験)で2時間値200mg/dL以上
③随時血糖値200mg/dL以上
④HbA1cが6.5%以上 - 治療方針
- 1型糖尿病ではインスリン注射を行います。2型糖尿病では生活習慣指導と薬物療法を行います。
血糖値を下げるお薬には以下の3種類に分けられます。
・インスリンの作用を増強するもの・・・・ビグアナイド系チアゾリン系
・インスリンの分泌を促進するもの・・・・するホニル尿素薬、DPP4阻害薬
・糖の排泄や吸収を調整するもの・・・・・αグルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬
脂質異常症(高脂血症)
血液中の脂質濃度が高くなるのを脂質異常症(高脂血症)と言います。具体的にはLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪値が高い、HDL(善玉)コレステロール値が低い状態です。
血液中の脂質濃度が高くなると動脈硬化が進み、全身を流れる血液の循環が悪くなります。特に自覚症状を感じる事なく病状が進んでいくので、気がついた頃には心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、肝臓機能低下、脂肪肝などの発症リスクが高くなっています。
脂質異常症の発症原因としては日々の食習慣が大きく関わります。動物性の脂肪分を多く含む食べ物の過剰摂取や、運動不足、他の病気による合併症、お薬の副作用、喫煙などが挙げられます。
- 治療方針
- ①生活習慣の改善
食事療法、運動療法を組み合わせて減量する必要があります。食事では動物性の脂肪を多く含む食べ物の過剰摂取を控えてください。
②薬物療法
HMG-CoA還元酵素阻害薬、インイオン交換樹脂、フィブラート系、ニコチン酸系のお薬を使用しますが、病気によって適切なお薬を処方します。